スプリングコートというのがずっと好きで、出来ればずっとつくり続けたいと思っています。  高校生の時に原宿でX-LARGEのベージュの細身でシンプルなステンカラーコートを買ってからこの着る時期の短いアウターが大好き。服の好みが変わっても着ていて、何だか似合わなくなっても大切に取っておいたのだけれど、いつだったか多分酔っぱらったなんかの拍子に友達にあげてしまったような気がする。曖昧な記憶のまま行方を眩ませてしまったけれど、きっと次の役割があれにはあったのだろう。  ベーシックなかたちをつくってみようか、結構盛り付けた感じを思いついたとか、コートを考えることからそのシーズンを始めることが殆どです。 ファッと、サッと羽織って出掛けたい。

今季二つ目のコートは頭巾を被った修道士のローブを意識したフードのタイプです。 経にリネン、緯に細いウールとコットンをループヤーンに撚った糸を打った生地を使用。これはポソポソした表面でタオルみたいな感触が柔らかい仕上がり。

この生地を使って、後ろから風を含んだ時のように切り替えとかフレアーとかで前身頃へ向かって流れをつくったオーバーワンピースと、グルッとギャザーで囲われたスカートをどうやったら重くならないかなと試行錯誤して、裾へすぼませた後ろ下がりのスカート、継続してつくっている前後反対になったようなベスト、の全部で四型つくりました。