フォトグラファー始め、⾊々な⽅々の⼒をお借りしてつくりあげるルックは、服そのものとは違ったアプローチで新しく作品をつくるような感覚でとても楽しい行為です。

ルックの撮影は今回、動画を中心に撮ることになりました。今季のテーマ”REANIMATION”という言葉の意味から、動きの中に”曖昧な気分”を込められないだろうか。と思ったのです。悲しい、可笑しい、虚しい、など常に変化していく気分を切り取りたいのは、写真であっても動画であっても同じなのだから。

今季のテーマの元となった、Joan Jonasのパフォーマンスは、感じた心を素直に表して踊ったり、演じたり、描いたり、話したりしているように見えて、完璧に完成していない余白の自由が印象深かったため、今回はモデルを、ダンサーさんとと役者さんにお願いをして、そのときの気分やその場で思いつくアイデアをかたちにする緊張感、偶然の発見やハプニングの生々しさを求めて、全体に少し不穏な空気の劇場の舞台をイメ-ジした空間で、それぞれにほとんど⾃由に動き演じてもらいました。シリアスに、コミカルに、激しく、柔らかく、たくさんの表現がうまれた時間でした。

皆、さぞやりづらかったろうとは思いましたが、そのあたりも面白く見えていたらいいな。と思います。